DSC02547

しばらくして、市場の中にあるカフェでコーヒーを飲んでいると、先ほどの男性が僕を見つけ

買い物を終えたばかりの大きな袋を抱えながら隣に座りました。

「おいしいオリーブ買ってきたから一緒に食べよう」

オリーブを食べながら僕は、ここにいる経緯を話しました。

最初はDJやバーテンダーをやっていたこと、その後に働いたパン屋で6年ほど修行し、そこを辞めてこの次は何をやろうかと思いバックパックで旅してること。

男性は、僕の発した「パン屋」という言葉にピンときたのか、

「この近くで友達がパン屋をやっているんだ。紹介したいから今から行かないか?!」

と身を乗り出して誘ってくれたのです。

僕のこの後の予定は特になく、午後に乗る予約してあるTGVの時間までに戻れば大丈夫!と思い

「ぜひ!」

30分後に市場の前で待ち合わせしました。

 

すぐ近くと言っていたので10~20分位かと思っていたパン屋までの移動時間は、車でなんと片道90分…。(笑)

やっと着いたそこは、山の中腹にある峠のような場所で、フランス人の旦那さんと日本人の奥さんがやっているパン屋。

オーブンや酵母は全て自作。「セヴォン?」と言って少し舐めさせてくれた酵母は舌にピリッと刺激があって活発な感じ。

色々な話をしてそろそろ帰ろうかというとき、旦那さんがちょうど焼きあがったバゲットを手に取り

「このバゲットは、隣の農家さんが作った小麦で作ったんだよ」

その言葉を聞いた時、すごくワクワクしたことを覚えています。

そのパン屋からの帰り道、お友達らしきワイナリー、入り組んだ渓谷や絶景スポットを寄り道し、駅まで送ってもらうと予約してあったTGVはもう既にいるはずもなく…。

次のTGVを待つ間、旦那さんの言葉を頭の中で反芻していました。

隣の農家さんが作った小麦。

農家、パン屋、消費者。みんななんて近いんだろう。

僕も小麦を作ってみたい。そして、その小麦でパンを作って食べてもらいたい。

嫁の実家は専業農家、日本に帰ったらお義父さんに小麦を作りたいと話してみよう。

そんなことを考えながら帰路につきます。

2005年の秋のことです。

IMG_0298

これは僕たちが三浦市高円坊で作っている小麦です。毎年10月の終わり頃に種を蒔き、6月の梅雨に入る直前に収穫です。毎年1.5トンほどを収穫しています。

この小麦たちから、充麦では「パン」「小麦茶」「ビール」が出来上がります。(ビール製造は逗子のヨロッコビール)。

 

ここ、三浦市高円坊で僕たちが小麦を作り始めたのは2005年の秋のことです。

なぜ小麦を作ろうと思ったのか、そのきっかけとなる出来事がありました。

2005年、僕はバックパックでフランスのアヴィニョンというところにいました。

午前中に市場に行こうとユースホステルを出た僕は、いつの間にか道に迷ってしまい、ガイドブックを見ながら

立ち尽くしていました。すると、「どーしたの?何か道に迷ってる?」

と、50代位の日本人男性が声をかけてきてくれました。

僕は、市場に行きたい事を伝えると、ちょうどその男性も向かっているところで一緒に行こうと言ってくれました。

 

歩きながらお互いのことをいろいろ話します。

彼は、東京でバスの運転手をやっていたのですが、思うところがあり早期退職し単身フランスへ。

料理学校に入学し、卒業とともにレストランへ就職。紆余曲折あり、今はアヴィニョンで

お寿司屋さんをやってるという華麗な転身ぶり!!

そのお寿司屋さんの仕入れに行く途中で、僕と出会ったというわけです。

そんな話を聞きながら歩いていると、あっという間に市場へ。

入り口で彼にお礼と別れを告げ、僕は市場の中をぶらぶら歩きます。

to be continued…

こんにちは!みなさま、はじめまして。

三浦市初声町で「三浦パン屋 充麦」というパン屋をやっています、蔭山充洋と申します。

11882281_876672762405246_1745188347480848772_o-2

はじめに今回、声をかけてくれた「onTheHammock」のお二人に感謝!
ありがとうございます。
そして、三浦の個性豊かなメンバーとともにこの場を共有できること、光栄に思います。
僕たちは三浦市高円坊で、自分たちの手で小麦の種を蒔き、育て、収穫した小麦を使ってパンを作っています。

小麦の栽培を始めたのは2005年、充麦はその3年後の2008年に開店しました。
ここでは、その小麦の作業のことや、僕が18歳から始めた米兵相手のバーテンダーやDJを経て、パン屋になったきっかけなどを書いていけたらと思っています。
日記もほとんどやったことない僕がキチンと出来るか、正直なところ不安感もありますが
頑張ります!よろしくお願いします。