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特集1: 待望される三浦のゲストハウス

最近、日本でもよく聞かれるようになった「ゲストハウス」という言葉。しかし、言葉は聞いたことがあっても、その実態・業態を知らない人はまだまだ多いようです。ゲストハウスとはどのような”ハウス”なのでしょうか?
三浦市出身の菊地未来さんは数年前から三浦市三崎でゲストハウスの開業を準備しています。これまで「鎌倉ゲストハウス」に住み込みで働き、そのノウハウやゲストハウスを運営する上で必要なことを学んできました。今回の「三崎ゲストハウスプロジェクト」特集では、菊地さんにゲストハウスとは何か? そして三浦にゲストハウスが必要な理由をわかりやすく紹介してもらいました。さて、三浦にはどんなゲストハウスが出来るのでしょうか?

その1:ゲストハウスとは何か?

民宿でもホテルでもないゲストハウスというスタイルの説明。また、最近のゲストハウス事情

ゲストハウスというのは、素泊まりの宿のことです。ゲストハウスの特徴としては、ただ宿泊するだけでなく宿泊者同士やオーナー・そこで働くスタッフ、周辺住民との交流が出来る事。海外では1人旅のバックパッカーが利用する宿として一般的ですが、日本ではまだ馴染みがないと思います。

しかし、実際にはゲストハウスというのは日本で定義が無く、海外等の別荘にあるようなゲストを宿泊させるような離れの建物のことだったり、最近ではシェアハウスやブライダルの式場をゲストハウスと言っていたり、ものすごく多義となってしまっています。

宿として日本で良く知られているのはユースホステルや民宿ですが、ユースホステルは朝食が付くが、お酒が飲めなかったり、組織化していて何かと制約があるそうです。私自身そこまで詳しくは知らないのですが、ゲストハウスは自営業なのでお酒も飲めますし、オーナーの個性やセンスが宿の魅力に直結します。朝食も基本的には付かないのですが、付く所もあるし、居酒屋やBAR、CAFEが併設された宿もあり、なかなか一括りには出来ないのが、今の日本のゲストハウスの現状だと思います。

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鎌倉ゲストハウスのリピーターさんで、以前はユースホステルを転々としながら旅をしていた方が、今ではゲストハウスを転々としていて、なぜゲストハウスを選んだか尋ねると…。

「ユースホステルが最盛期の頃は、サービスとかも宿それぞれで面白かったし、宿泊者も多かったので活気があったけど、その頃に開業した人が今は高齢で、細々と営業しているからあまり利用しなくなったね。もちろん今でも面白い宿は人気みたいだけどね! 現代ではゲストハウスの方が外国人や若者向けになっていて、多国籍に交流出来るし、利用しやすく活気があるし、宿泊料も安い。現代の生活や旅のスタイルに合っているから利用したくなるんだろうね。現代に適したカタチがゲストハウスだと思うよ。」とおっしゃっていました。

この方も言うように、以前はユースホステルが日本でメジャーでしたが、ここ数年で日本中にゲストハウスが続々とオープンしています。特に多いのが沖縄や京都、そして東京です。沖縄は地価が安いことや、日本一周する人が立ち寄る場所なので、破格の宿が多く、寝袋を持っていれば1000円以下で宿泊出来る宿もあったりします。京都や東京は外国人旅行者が多く訪れる為、古民家を改装したTHE日本!といった宿や、それぞれの立地に合わせたテーマで雰囲気を作っているゲストハウスがあります。

ゲストハウスに訪れるお客様の多くが、どこかのゲストハウスに宿泊して、その雰囲気や交流出来るというコトに魅了され、他の宿を転々とするようになったり、月に1回はかならず用が無くても泊まりにくるというような利用をする方もいます。

また、ゲストハウスにもジャンルのようなものがあって、観光地型のゲストハウス、まちおこし型ゲストハウス、辺境地型ゲストハウスなどなど、多種多様なものがあります。

2:ミサキにゲストハウスがあった方が良い理由

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ミサキにゲストハウスがあったほうが良いと思う理由は3つあります。

1つ目の理由は”日帰り”の観光客が多いこと。

2つ目の理由は観光客の”客層”が偏ってしまっていること。

3つ目の理由は友人や知人を”招待”したい時に宿泊先が無いということ。

この3つがミサキにゲストハウスがあった方が良いと思う理由です。

日帰りの観光客が多いというのは、ミサキが都心から電車でも車でも1時間程度で訪れる事が出来る為、宿泊する必要性がないのです。近いから気軽に来てもらえるという立地のメリットがある一方で、すぐに来れる分日帰りの観光客も多く、昼食や買い物をするだけの観光客をつなぎ止めるようなコンテンツが現状で知られていない・知る機会が無いという問題点があります。ミサキにはまだまだ夜の楽しみ方があるのにそれを知ってもらっていないのが、自分としては残念ですし、商店街としても多いにメリットがある事だと思います。

また、現状では全体の観光客の1割程しか宿泊していないという統計も出ています。客層としてはホテルや老舗旅館がありますが、宿泊料金が高い為、若い客層や海外旅行者が利用しにくい環境になってしまっています。若い客層を取り込むべき理由としては、将来的にまた来てくれる可能性が高いという事と、本当にミサキを好きになった人は移り住んでくれる可能性があるからです。

そして何より、「ミサキは良い町だから、来てよ!」と言った所で自分の家は狭いし、宿泊先を探そうと思っても、自信を持っておススメ出来る宿が高い為、友人や知人を招こうと思っても気軽に招待出来ないので、自分がミサキにゲストハウスがあった方が良いと思ったからです。

3:自分自身がゲストハウスをやりたいと思う理由

ゲストハウスをやりたいと思ったキッカケ

自分が三崎でゲストハウスをやりたいと思うのは、ミサキから離れたく無いという自分の想い。そして、離れたくないと考えている他の若者に対して、「職」をつくる必要があると考えたからです。そして、そのキッカケは修士論文での研究中にありました。

 生活に必要な三要素をよく「衣食住」と言いますが、現代ではそんな要素だけで生活出来ません。食べ物や洋服、家を買うには、働いてお金を稼がなくてはいけません。その為には会社に通勤して、仕事をして、時には上司へのストレスを発散するために飲みにいったり、気分転換をしたり、家族の時間を作ってレジャーを楽しんだり・・・いろんな生活シーンがあります。その現代の生活シーンの中には“移動”する事、“働く”事が欠かせない要素となっています。人は移動せずには生きれない。そして、働いて、時に遊ぶ。「衣食住」と「移職遊」の六要素によって生活が形成されていると言えると思います。修士論文では「観光(遊)」と「生活(衣食住移職)」をどうすれば共存させる事が出来るかについて考えました。やはり「職」が無い所で生活出来るかといったら、難しいと思います。また、三崎に関して言えば、職が無い為に、東京や横浜に働きに出てしまう若者が多く、企業に就職した人に関しては、地方への転勤等で地元・三崎を離れてしまう人が多いのが実態です。

 修士論文で思考した結果、今はゲストハウスがまちにとっても課題だと認識し、最優先で取り組んでいますが、まだまだ三崎には課題があります。そういった所をビジネス(職)としてどんどん作っていく事が出来れば、三崎の若者離れ・人口流出も減少すると思いますし、まちもより活気に溢れるのではないかと思います。

4:ゲストハウス修行をして見えてきた三崎ゲストハウスプロジェクトの内容

自分がどんなゲストハウスをやりたいか

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鎌倉ゲストハウスで修行をさせてもらって、継続する事の難しさと、そこで働くオーナーやスタッフでの宿作りの大切さを感じています。現在日本には多くのゲストハウスが存在します。ここ数年で新たに出来た店舗も100店以上あると思います。そんな中で、低価格という魅力だけに留まらず、それ以外の魅力を実感してもらい、リピーターさんになってもらったり、新規のお客様にも満足してもらえるような宿の雰囲気やサービス、接客などの宿づくりが重要になってきます。

「ゲストハウスを始めることは誰でも出来る。続ける事の方が数倍難しい。」

とオーナーに言われた事があります。確かにその通りだと思いました。
資金・物件が揃えば始める事が出来る。でも、集客方法や接客対応などが分かっていないと結局お客さんに来てもらえないし、続かなくなってしまいます。実際に5年以下で閉店している所も多いそうです。継続する事のノウハウを学ぶ事が今の自分には重要なのだと実際に修行させてもらって分かってきました。以前の自分だったら「自分なら出来る」という根拠の無い自信だけでしたが、今では「鎌倉ゲストハウスで修行した経験があるんだ!」と確信が持てました。

そして自分がミサキゲストハウスをやるのなら、やはりミサキの人の魅力、まちの魅力、食の魅力を実感してもらい、将来的にミサキへの移住を考えるくらいにミサキで生活するという楽しさを感じてもらえるゲストハウスにしたいと思います。理想としてはゲストハウスがゲストを迎えるだけでなく、宿を拠点としつつも、まち全体がゲストを迎える「ゲストタウン」とかになれると面白いのではないかと思います。ミサキにはそれが実現出来るだけのポテンシャルはあるので、それをどう活かし、ゲストとホストをつなげるか。そこが自分のやりたい所です。

ミサキをもっと知ってもらいたい、訪れてもらいたい、住んでもらいたい。
日本人だけでなく、海外からも訪れてもらえると嬉しい。
グローバルでありながら、ローカルの良さを保った
“グローカル”の拠点となる様なゲストハウスを目指します。

TEXT:菊地未来


10/11(日)、三崎開港祭の開催に合わせて、菊地さんが1日限定のゲストハウス「ゲストハウスプロジェクト in misaki」を実施します。本企画はモニターとして12名のお客さんを迎え、三浦でのゲストハウスを体験してもらう企画です。
詳細はこちらをご確認ください。
NEWS:10/11(日)「ゲストハウスプロジェクト in misaki」開催 http://misakifc.com/news/3495