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Misaki Fan Interview File#04
インタビュー#04

寒川一 Hajime Sangawa STEP CAMP代表。サボリをテーマに焚火カフェやサンダルアドベンチャー、満月山歩など、三浦半島を拠点に独自のアウトドアサービスを展開。2012年から、三浦市三崎でハンモックを使った昼寝の施設「ミサキシエスタサヴォリクラブ」を運営している。また焚火を使った炊飯ワークショップ、防災アウトドアをテーマにした「BOARD CAMP」などを開催。

小雀陣二 Junji Kosuzume アウトドアコーディネーターとして、また得意な料理を通じて雑誌、テレビ、ラジオなどでアウトドアで過ごす楽しさ、重要性を伝える活動をし、イベントでは講師を勤める。現在、アウトドア業界や市場において大きな影響力をもつひとり。


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STEP CAMP 1周年記念トークセッション!!
アウトドアフィールドとしての三浦半島のポテンシャル、そして今、アウトドアスキルを身につけることの意義を考える。
STEP CAMP代表・寒川一 × 小雀陣二

昨年、城ヶ島でSTEP CAMPが開催されてからもうすぐ1年が経とうとしています。これまでSTEP CAMPは城ヶ島や観音崎、そして都内で行われているアウトドアイベントに参加し、災害被災時に役立つアウトドアのノウハウを提供してきました。昨年の秋には県立の公園としては画期的となる城ヶ島公園での宿泊キャンプイベントも実現しました。
STEP CAMPの活動は、アウトドア・フィールドとして三浦半島が高いポテンシャルを持っていることを証明するとともに、この地でアウトドアを楽しみたいというニーズがあることも掘り起こしました。そこで、改めてアウトドア・フィールドとしての城ヶ島・三浦半島の魅力、そしてSTEP CAMPの活動について代表の寒川さんとアウトドアのエキスパート小雀さんに話を聞きました。

 

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なぜ三浦半島にはキャンプ場がないのか?


––今、日本各地でアウトドアのイベントが行われていると思いますが、そのなかでSTEP CAMPの最大の特徴って何でしょうか。


小雀
:よく行われているアウトドアのイベントというのは、基本的には遊ぶだけですよね。「防災」ということをテーマに掲げているイベントはない。僕たちがやっているイベントも基本的には楽しんで遊んでもらっているんだけど、その中心には「防災スキル」を学ぶということがあります。これは他のイベントと違うことだし、アウトドアメーカーもその点を踏まえて参加してくれますね。秋のSTEP CAMPでは、それをキャンプ泊を通して行うことが出来ました。公園はもともと宿泊できない場所ですが、県から許可をもらってキャンプが出来た意味は大きいと思う。あとメーカーさんも前向きに協力してくれて、メーカーにとっても良いイベントになったと思う。僕らとしてはなにより無事に終わったということで、安心しましたけどね(笑)。


寒川
:うん、天気も良かったしね。外遊びっていうのは本当に天気で左右される。まして初めてキャンプをするという人もたくさんいた。初めての体験になるわけだからね、こっちも結構ドキドキなんですよ(笑)。楽しくなければもう2度とやりたくないって思うかもしれないし、楽しければこれからもずっとやっていきたいと思うかもしれないし。
城ヶ島っていう場所は気象面では難しい場所でもある。だけど、これだけキャンプをして気持ちいい場所っていうのもないんだよね。やっぱりキャンプに向いているロケーションなんですよ。

––県立の城ヶ島公園でテント泊イベントを行ったということは画期的なことですよね。

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寒川
:だからいろんな人がそれぞれ意義を見出してくれたんじゃないかなって思います。もちろん一般参加者の方たちにも意義があったと思うし、メーカーの人たちもユーザーと触れ合いながら「防災」ということについて考える機会になった。そして地域の人たちにとっても「公園ってこういう使い方もあるのか」っていう具体的な絵が見えたんじゃないかな。 まあ、僕らはずっと城ヶ島公園でキャンプすることを妄想してきたんですけどね(笑)。だって三浦半島はこんなにも自然豊かで、カヤックやいろんな外あそびが出来る。だけど、なぜだかキャンプをすることができないわけですよ。僕は三崎でお店をやっていて「キャンプ場はどこにあるんですか?」って、ほんとにいろんな人に訊かれるんです。そして「三浦にキャンプ場はない」っていうと、みんながその事実について驚く(笑)。誰もがあって当然と思うものがない。不思議だよね。その不思議な事実について、STEP CAMPが扉を少しだけ開くことが出来たんじゃないかな。

––そもそも、なぜ三浦にキャンプ場がないんでしょうか。


小雀
:なんででしょうかね(笑)。神奈川県のキャンプ場は西側に集中していますよね。どちらかというと山があるところにキャンプ場がある。三浦半島は海に囲まれているわけだけど、でも海の近くにキャンプ場があってもいいわけです。個人的には日本のレジャーは海を上手く利用していない感じがしますね。
伊豆なんかは温泉もあって観光地として開発されていくなかで、キャンプ場も作られていったわけだけど、三浦半島はそういう観光地としての開発は行われてこなかったのかもしれない。僕は神奈川でずっと暮らしてきて、葉山でカヤックの仕事をしてきた。その活動のなかで強く感じていたのは、近くにこんなに良いところがあるのをみんな知らないというか、その良さを知らせるということをしてこなかったということなんです。よくも悪くも、その環境をアピールする必要もなかったのかもしれないけど…。しかし、三浦半島の相模湾側や三崎の方は手つかずの自然がたくさん残っていますよね。


寒川
:まあ、昔はある程度遠くまで行かないと遊びに行った気がしないというのはあったかもしれない。そういう意味では三浦半島は都心に住む人には近すぎたのかもね。僕も横浜に住んでいたときは、キャンプっていうと富士五湖まで行っていた。やはりキャンプをする時は自分の住んでいるフィールドから遠く離れたところに行きたいという想いはあった。でも、今は車に乗る人も少なくなった。旅行をするにしても遊びに行くにしても、昔と比べて移動距離は減っていると思うんだよね。以前は電車で行ける範疇でキャンプをしようなんて考えたこともなかった。でも、三崎なんかはザックを持って電車で遊びに来れる。都心から気軽にアクセスできるからね。

––僕も東京に住んでましたけど、その時はアウトドア遊びができる場所として三浦は盲点というか、考えたことはなかったですね。


寒川
:時代も変わってきたのかもしれないよね。もっと手軽にアウトドアをしたい人も増えている。


小雀
:でも、これまで三浦にキャンプ場を作ろうっいう計画なんか聞いたことがなかったよね。でも、逆にここにキャンプ場がないってことは将来性はありますよ。確実に人は呼べると思う。


寒川
:イメージとしては渋谷や新宿あたりのアウトドアショップから、そのまま三崎に来てキャンプしちゃうみたいな感じだよね。山に行くとか、海に行くとか大きく構えるものではなく、ただキャンプをしにいくっていう感じでも良いじゃないですか。例えば、ついこの間までは節電やなんだと言ってたわけですけど、家でブレーカーを落として暗いなかで過ごすのなら、週末は家を捨ててキャンプをするほうがいいでしょ(笑)。東京からそういうキャンプをやりに来れるっていう距離感が三浦にはあると思うんですよ。


小雀
:キャンプに行くとなると、その準備もしなくちゃいけなし、どうしても気構えは必要じゃないですか。でも、確かに気軽に来れるキャンプがあっても良い。ハジメ(寒川)さんがやっている焚火カフェなんかも、そういう発想ですよね。泊まるわけじゃないけど、焚火をしてキャンプ的な楽しさを味わえる。すこし旅気分を味わえて、それで日常をちょっとリセット出来るのも良いじゃないですか。三浦にキャンプ場があったら、そういう風に楽しんでもらえるんじゃないかな。


寒川
:三浦の魅力っていうのは、やはり都心からの距離感だと思う。そして時代的にも三浦にアウトドア、キャンプっていう要素が求められている。STEP CAMPはその提案をしたわけで、納得してくれた人も沢山いたと思うんだよね。


今、アウトドアスキルを身につけることの意義


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––三浦は自然が豊かだし、そこで遊びたいというニーズはある。だけど勝手に遊ぶことは出来ないですよね。例えば好きなところで焚火をして良いわけではないし、気持ち良さそうな公園で勝手にテントを張って宿泊してもいいわけじゃない。


寒川
:日本の場合はまず土地の問題があるんですよ。例えば海浜であれば国が管理していたり、県が管理していたり、あるいは県から委託を請けて漁協が管理しているわけです。管理者がいる以上、好き勝手なことは出来ないですよね。例えば、他人の土地にテントを張って宿泊すれば問題になるのと同じです。今回、STEP CAMPは県立公園を1日キャンプ場にしたわけですけど、本来、公園っていうのは公共の場所で、みんなの場所なんです。みんなの場所っていうことはね、「あなた個人」の場所ではないっていうことになるんですよ。だから、公園にテントを張るということは個人が公共の場所を占有してしまうことになる……らしいですね(笑)。

––公共の場だから、ルールが必要になる。だから、あれしちゃいけない、これしちゃいけないっていう公園が出来るわけですよね。


寒川
:例えば焚火なんかはローカル・ルールとして明確に禁止している地域もあります。多分、その土地では、過去に焚火でなにか良くないことがあったのかもしれないね。でも、ルールとして明確に禁止していない地域もある。僕はそれを宝のように思っています。だからゴミ一つ残さない。ずっと使っていきたいから、もし、誰かが迷惑になるようなことをしていたら注意しなきゃいけないと思っている。だって、みんなの場所ですからね。そこが、まだ焚火が禁止されてない場所だったら、僕はそれを守っていかなくちゃいけない。

でもね、焚火にしてもキャンプにしても「やっていいですか」と訊いて、許可をとれるものでもないんですよ。だって、それを許可をした人は責任をとらなくちゃいけないじゃないですか。これは日本人のよくないところだと思うけど、自己責任ではなく誰かに責任を負わせようとする人が多いんですよ。だから、許可を求めるんです。でもね、みんなが誰にも迷惑をかけることなく、きれいに片付けをしていたら、世の中にキャンプをしちゃ駄目だ、焚火をしちゃ駄目だって場所はそんなに多くはならないんじゃないかな。でも、現状はマナーがない人たちもいるし、そういう人たちがいるから管理する側もルールを作るしかない。そうやっていろんな場所で自由に外で遊ぶことが制限されてきているんですよ。だって公園でフリスピーをすることも出来なかったりしますからね(笑)。

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小雀
:ただ、この状況を急に変えることはできないですからね。僕らはそのルールを変えるということよりも、キャンプをしたり焚火をしたり出来る場所が求められているっていうことを知ってもらいたい。もし三浦に新たにキャンプ場が出来たら、人も来ることになるし、三浦にとっても有益じゃないですか。とにかく神奈川県の東側にはキャンプ場が無いんだから、ニーズはありますよ。


寒川
:僕らがSTEP CAMPでやらなければいけないと思っているのは、ルールでがんじがらめになってしまったり、場所がなかったりして、子供たちからも遠ざけられてしまったアウトドアの体験を新たに作ることなんですよ。今の子供たちは外で直接を火を使ったりしないでしょ。その子供の親の世代もそういう経験をしたことがないかもしれない。今は子供たちには刃物を使うようこともさせない風潮もあるしね。だからSTEP CAMPでは今の学校とか家庭のなかで出来ない体験を子供たちにしてもらいたいんです。そこでアウトドアの楽しみに気づいてもらいたいんだよね。多分、STEP CAMPに参加してくれた人たちで、アウトドアの楽しみに気づいてくれた人はこれからもキャンプをやってくれるんじゃないかって思うんですよ。


小雀
:「防災キャンプ」に参加してくれた人たちも半分近くはキャンプの経験がない人たちでしたからね。そういうキャンプ経験のない人たちに対して、とくに子供たちに対して、いかにいろんな経験をさせてあげるかというのは僕らの責務ですよ。やっぱり経験をすることで知識も増えますからね。今は自然のなかで考えるという経験が遠ざけられていると思うんですよ。例えば災害があったときなど、電気が使えなかったりして、自然のなかにいるのと同じような状況になりますよね。そういう時に、火を扱ったことがあったり、テントで休息するという経験を積んでいれば、災害時でも対応できたりする。もちろん、大人たちもアウトドアの経験を積んでおくことで子供たちを守れるはずですよ。

––キャンプができるイベントはたくさんあると思うんですけど、アウトドアスキルを身につけることを目的としているものは意外とないですよね。


寒川
:STEP CAMPも宿泊という要素をプログラムに盛り込むことで、よりいろんな経験をしてもらえたと思う。STEP CAMPはもともと衣・食・住・火のテーマごとにアウトドアスキルを身につけるというコンセプトがあったからね。秋のSTEP CAMPではテントを張り、食べ物を作り、水を得るということを学び、何か起こったときのための衣のワークショップもやった。これは大きな成果の一だった。ただ、人が多く来たとか盛り上がったというだけではなく、僕たちのなかでも伝えるべきポイントが明確になったしね。

例えば僕がやっていたケリーケトルのワークショップも、公園のなかから燃料になるものを探してもらって、それで火を起こしてお茶を飲むということをやった。一回でもそういう経験をしていれば身近なところに燃料があるっていうことがわかるんですよ。普段の生活ではスイッチ一つで火が点けられる。だから子供たちはそこらじゅうに燃料があるということを想像できないんだよね。でも、自分たちが拾って来た燃料でお茶が飲めるということが解れば、そのお湯でカップラーメンを食べられるということにも気づくわけですよ。そうやって身の回りにはいろんなものがあるという気づきを得ることが大事なんですよ。


小雀
:やっぱりね、テントを使ってキャンプをするということは、その気づきの機会も沢山得られる。


寒川
:STEP CAMPはアウトドアをはじめたい人たちの入口になるようなイベントなんだけど、チュンチュン(小雀)を初めとして関わってくれているメーカーの人たちも経験豊富な人たちばかりなんですよ。言ってみれば本物のアウトドアの達人が集まっている。こういう入門的なイベントにすばらしい人材が集まっているということは大きいと思うんですよ。だから、参加すればアウトドアの奥深さを感じることも出来るはず。ただ、イベントとしてはそんなに詰め込んで、スケジュールを埋めるようなこともしたくない。アウトドアだからね、隙間の時間も自分たちで楽しんで欲しい。敢えてユルくていいんですよ(笑)。


小雀
:それでいいと思う(笑)。キャンプして楽しんでもらって、帰ってからいろんな経験が出来たことに気づいてもらえればいい。アウトドアの勉強っていう風に捉えてほしくない。だって、子供って遊びながら学ぶわけでしょ? だけど今は遊ぶ場所がないから、学ぶことが出来ない。そういう子供たちに僕らが提供できることはもっとあるはず。僕らもアウトドア遊びをするのは楽しいからやっているんだけど、例えば山で遊んで、帰ってくると何か普段と違う自分がいるんです。それは本能の感覚を使ってるからだと思う。自然のなかにいることで本能のスイッチが入る。それは自然のなかでしか出来ない経験なんです。それがストレス発散になったり、リフレッシュにもなるんだけど、何かあったときの経験を積んでいることにもなるんですよね。

取材場所 雀屋
編集 クワムラハルヨシ 写真 タカハシサチコ

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昨年10月に開催されたSTEP CAMPに参加された方に、アンケートにご協力いただきました。その一部を紹介させて頂きます。

あなたの理想のキャンプ場を教えてください。

・海のそば、芝生。

・サイトごとに水場がある。

・水場がきれい。

・子供と遊べるキャンプ場。

・テントの前で焚火が楽しめるキャンプ場。

・トイレがきれいなところがいい。

・静かで、テントサイトが広いところ。

・そんなに整備されてなくていいので、安いキャンプ場がいい。

・電気自動車の充電ができるキャンプ場が欲しい。

三浦にキャンプ場があったら、何がしたい?

・一泊してゆっくり、楽しみたい。

・ウィンドサーフィン&キャンプ。

・海あそび。

・町歩き。

・地場の魚や野菜を使ったBBQ。

・海を見て静かに過ごしたい。

・城ヶ島探索。

・サイクリング。

・シーカヤック。

 


 

都心で遊べて、学べて、キャンプができる第2回焚火クラブにSTEP CAMPが参加!!

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1月に江東区の若洲キャンプ場で開催された「焚火クラブ」、その第2回のイベントの開催が発表されました。もちろんSTEP CAMPも前回に引き続き、いざというとき役立つ防災アウトドアワークショップで参加します。

第1回「焚火クラブ」では、会場に焚火台や薪ストーブがずらりと並びいろんな焚火を試す「試焚火」が行われました。またSTEP CAMP副代表・小雀陣二(aka.チュンチュン)の料理教室や無印良品の楽しいワークショップ、NORDISKのテント体験、Vixenの天体望遠鏡体験、盛り沢山の内容でした。そして日が暮れてからは焚火Barも開店。焚火を囲んでスモークチーズ&ベーコンをつまみに飲むウィスキーは最高です♪
STEP CAMPは楽しく備える、『ケリーケトルをつかった炎のワークショップ』『ジップロックでご飯たきワークショップ』を実施しました。
第1回「焚火クラブ」の模様はアウトドアカンパニー・ヒーローのサイトで紹介されています(http://www.herofield.com/event/blog/2014/01/215-16.html)。

次回の開催は2/15-16、会場は若洲キャンプ場です。今回もキャンプ用具がある方はもちろん宿泊も可能です。テントのレンタルなどもあるようです。また事前に希望すれば、ノルディスクテントなどで試泊することできるそうです。

詳しくはヒーローのWebサイト (http://www.herofield.com/event/blog/2014/01/215-16.html )をご確認ください。
都心で遊べて、学べて、キャンプができる最高のチャンスです!

イベント名:焚火クラブ
日時:2014年2/15、16 
場所:江東区若洲海浜公園内 キャンプ場
http://www.tptc.co.jp/park/wakasu/camp/tabid/569/Default.aspx