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Misaki Fan Interview File#01
インタビュー#01 KIKI

KIKI モデル・女優。東京生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒。雑誌やTVCMなどの広告、また連載執筆など多方面で活動中。


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隙間を埋めてくれる町、ミサキ
モデル・女優 KIKI

モデル、女優、そしてエッセイストやフォトグラファーとしても活動するKIKIさん。そんな彼女が表紙を飾る「OZマガジン6月号」で三崎が紹介されたのは、ミサキファンにとっても記憶に新しいところ。実はKIKIさんのオフィシャルブログには、昨年から”三崎”という単語が頻繁に登場していた。そう、何を隠そう彼女もミサキファンの1人だったのです。そこで、記念すべき『ミサキファンインタビュー』の初回は、KIKIさんに登場して頂き、彼女の友人でもある寒川氏とともにミサキの魅力について話を訊きました。インタビューは三崎の路地裏にあるディープな焼き鳥屋 ・寿々木で実施。取材もディープなミサキバナシになりました。



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ー KIKIさんは東京育ちだそうですが、子供の頃、三崎に対してはどのような印象を持っていましたか?

KIKI: 中学生くらいまでは、よく京急線の泉岳寺の駅を使っていたんです。だからよく「三崎口行き」という名前は見ていました。

ー 特に意識している場所ではなかった?
KIKI: 子供の時はとくに考えたりはしなかったですね。東京から2時間くらいで行ける身近な場所という感じでした。5~6年前にテレビの収録でマグロの”競り”を取材したんですけど、その時の三崎の印象は港町という感じでした。

ー 2012年のKIKIさんのブログから三崎の町が頻繁に登場するようになりました。2012年3月17日の記事には「神奈川県の三崎になぜかトリコになって暇さえあれば通う日々」とあります。
KIKI: そのキッカケは(寒川)ハジメさんですね(笑)。昼寝城(ミサキシエスタサヴォリクラブ)が出来て、この町に訪れるようになって、ハジメさんが案内してくれる場所が私にとってはツボなところが多かった。それまで私が知っていた三崎とは全然違う一面を見せてもらった感じですね。

ー 寒川さんは最初、どういうところを案内してくれたんですか?
KIKI: この寿々木さんのあたりとかです。この周辺をお散歩したんですよね。
寒川: うん、KIKIちゃんが階段が好きっていうから、お寺に行ったりとか。
KIKI: 絵が描いてある路地とかね。漁師さんが使ってる箱とかが良くて(笑)。

ー KIKIさんのツボにハマったのはどういう所なんでしょう?
KIKI: 年齢的なものもあると思うんですよ。新しいモノばかりじゃなく、昔からあるものに惹かれるんですよね。この町の、人があんまりいない平日の夕方の光景とか、そういう風景に惹かれたりします。

ー ちょっと寂れた感じですよね。レトロっていうのではなく…。
KIKI: レトロっていうと作り込まれた感じがしますよね。でも、この町は潮風にあたって自然とそうなっていった感じがする。でも、そういうのって誰もが惹かれるわけではないですよね(笑)。ハジメさんも、私だったら喜びそうだと思って案内してくれたんじゃないかな。
寒川: あんまり意識してないけど、そういうのはあるかもしれない。まあ、万人むけの町じゃないよね(笑)。


自分で見つけたり、自分なりの面白さを発見できる人が、この町を楽しめるんじゃないかなって思う。


ー KIKIさんなら、三崎をどういう人に紹介しようと思いますか?

KIKI: それが正直なところ、なかなかいないんですよ。なんかね、共感してもらえなかったらどうしようって思ったりする。でも、私が勧めるっていうよりも、この場所をあえて選ぶことが大事な気がするんです。

ー あえて選ぶという感覚が大事?
KIKI: そうですね。自分で見つけたり、自分なりの面白さを発見できる人が、この町を楽しめるんじゃないかなって思う。

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ー KIKIさんは三崎の町の地図も描かれましたね(2012年11月開催のミサキファンフェスティバルで発表)。

KIKI: あの地図に興味を持ってくれる人は、多分自分の力でこの町を読解しようというファイトがある人だと思うんです(笑)。その時点で私とは気が合うと思うんだけど。

ー つまりこの地図をキッカケに、三崎の町を歩いてくれるような人ですよね。
KIKI: そうそう。多分、探すことってすごく面白いことなんですよ。この地図に描かれているポイントを探すことで、描かれてないことも見えてくると思うんです。地図に描かれていること以外にも印象に残ったり、面白いと思えたりする発見があるんじゃないかな。それは、ひょっとしたら悪い印象を与えるものも含めて、その人のなかに入ってきたこの町の本当の印象だと思うんです。

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ー そこで人によって、三崎の町が合うか合わないかも分かれるのかもしれませんね。
KIKI: 私もいろいろ提案したり、紹介したい気持ちもあるんです。でも、昔から小心者なんであんまり押しつけられない(笑)。だから、私はこういう風に見ているというのが、あの三崎の地図なんです。

ー 地図を描くことでKIKIさん自身が改めて発見したことはありますか?
KIKI: 地図を描くことでいろんな疑問も出てくるんですよね。例えば、昔は三崎の町のどこまでが海だったのかな、とか。それをハジメさんに訊いたり、まるいち食堂の人に訊いたりしていました。

ー それは地図を描くという視点ならではですね。
KIKI: 地図を描くことって俯瞰して見ることだから、その町の作りも見えてくるんです。あと地図に描くことを意識して町を歩くと、探す目線になっているんです。そうなることで漁港の近くにある祠の良さに気づいたりしました。古くからある祠や神社を見るとその町の文化が解ると思います。


三崎の町には素のままの自分のテンションで来る事ができるんです。


ー そうですね。海南神社なんかも、まさに三崎の町ならではのものです。

KIKI: 嬉しかったのは、地図を見てこの町の人がいろいろ教えてくれたことなんです。海南神社の上に小さな公園があるんですね。マリン調の遊具があったりしたから、私は地図上で「マリン公園」って書いたんです。それを見て三崎館本店の渡部さんが「僕たちが幼いころはあの公園を遊園地って呼んでいたんだよ」って教えてくれたり(笑)。

ー 地図を描くことで町の人とも親交が出来た?
KIKI: そうですね。ここの町の人はすごく話しかけやすいんですよ。
寒川: 三崎の人は外国人っぽい(笑)。ラテン系っぽいっていうか、人に対する距離感が違うよね。話してる言葉が違うから(笑)。でも、三崎弁で喋られると親密感があるんだよね。
KIKI: 私が歩いているだけで話かけてくれるんですよ。あと、気になるものがあったりして、通りかかった人に訊いても普通に答えてくれる。その答えは必ずしも求めていた答えではなかったりするんです(笑)。でも、それが面白い。

ー KIKIさんは撮影などで国内外いろんな町に行かれると思うんですが、三崎と似ている町ってありますか?
KIKI: フランスのマルセイユが、なんとなく近い気がする。マルセイユも観光地なんだけど、観光する場所というよりも日常感が強いんです。三崎の町も名物としての”まぐろ”や”うらり”というスポットがあるけど、それだけじゃない面白さがある。裏路地を歩くのが面白いのも三崎とマルセイユが似ているところですね。少しドキドキしながら路地を歩く楽しさがある。

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ー 最後にKIKIさんのお気に入りの三崎での過ごし方を教えてください。

KIKI: 最近は三崎に来ても何もしないんです(笑)。例えば、今日はバスで来たんですけど、三崎のバス停のロータリーに足が着いた瞬間、ほっと満足する。三崎の港で釣りをしている人たちをぼおっと眺めているだけで良かったりする。

ー なにもしないのが一番贅沢かもしれないですね。
KIKI: そうですね。海を見たり、路地を歩いたり、猫を眺めたり。私が好きなニコニコ食堂に行ったり、solに行ったり。ハジメさんに会ったり、チュンチュンの所(小雀さんのお店「雀家」)に行ったり。その全部が私にとっては三崎に行くという事になっているんですよね。
寒川: 三崎に行くっていうのはどこか遠くにいくというわけではないんだけど、明らかに別の土地に行くっていう感覚はある。多分、三崎の町ではストレンジャーでいられるんだよね。それでいて、ここの町の人は”人待ち”みたいなところがあって、迎えてくれる心地よさもある。
KIKI: うん、気持ちが本当に楽なんですよね。この町は隙間を埋めてくれる。基本的に私は人と接するのはそんなに得意ではないんです。もちろん仕事でいろんな人に会うから、慣れていてそれなりに出来るんだけど、素のままの自分ではなかったりする。でも、三崎の町には素のままの自分のテンションで来る事ができるんです。三崎の町に対しても特別な演出はいらない気がするんですよ。私にはそのままの三崎がとても魅力的なんです。

Interviewer:クワムラハルヨシ
Photo:Sachico Takahashi