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平成を二十数年過ぎた今でも昭和の香りを残す場所・スナック。三崎の町にはチェーン店の居酒屋は1つもないが、長い歴史を持つスナックがある。 三崎の街にはスナックがよく似合う。
11/15-16にまた「第2回三崎ちょい呑みフェスティバル」が開催される。今回も三崎下の酒場が盛り上がることは間違いない。そこでMFCでは敢えてマグロ、地魚、三浦野菜といった三崎の名産ではなく、スナックに注目してみたい。三崎の栄枯盛衰を見て来たママや地元の人たちとの交流はディープな体験になるはずだ。MFCはスナックこそ三崎の懐へと潜る入口になると提言する。案内人は三崎ちょい呑みフェスティバル主宰・花岡静夫氏。さあ、昭和が残る三崎でスナックを体験しよう。


 1.スナックは枯れかけた港町の夜のオアシス

 2.スナックのハシゴはオトナのワンダーランド

 
 

スナックのハシゴはオトナのワンダーランド
〜花岡静夫の三崎スナック論〜

歌謡曲の世界でいうならば、スナックには「エレジー」がある。男に裏切られた女が、一人寂しく恨み節を噛みしめながら酒に浸る。また逆もありうると思う。そして「ロマンス」もある。デュエット曲にあるような男と女の新たな出会い…。そんな何かを期待させてくれる響きが「スナック」という言葉にはあるように思う。

前作でオレは「スナックとは?」について書いた。内容はキャバクラなんかに行って、高い金を払っていながら若いネェチャンのご機嫌取りをするくらいなら、スナックでじっくり飲みたいオレの愛着がたっぷり込められたものだった。で、もっと具体的に港町のスナックって、どんなところなのか?第二回・三崎ちょい呑みフェスティバルに参加する店を例にとって語ってみよう。

スナックは1店1店、ママの性格も営業方針も客層も、もちろん雰囲気も違う。だから、その時の気分に合わせてハシゴするのも楽しいものである。三崎の街に現存するスナックの多くは、この町の景気が良かった時代から続いている店である。その頃、水産会社の社長やら、船主などが多く通ったのが「スナックV8」だ。ママが言う。「昔のお客様は堅い関係の方が多かった。だからコッチも毎日スーツ着て店に出てたものよ。でも、最近はそんな会社も無くなっちゃったし、ごく普通の格好にしてるわよ」。
非常にプロ意識の高いママである。昔の水商売じゃ常識だった、新聞、雑誌をシッカリと読んで、お客様との話題が途絶えないようにすることはもちろん、何しろ感心するのは毎日出勤前、必ずパーマ屋さんに寄って長い髪を綺麗にアップにセットしてくること。「これがアタシのプライド」とママは簡単に言ってのけるが、なかなかできることじゃないと思う。そんなところが気に入ってもらえたからのか、前回の「ちょい呑み」以来、三崎に来る度にV8に通う東京の女性がいるという。

今回、初参加の「スナック譜」は、先代のママの引退に伴い、場所も店名も変えて(以前は「歩」という店名だった)再スタートした店である。前の店の時代から、客層は圧倒的に船員さん。マグロ船が入らなくなり、今では三崎で遊ぶ船員さんの多くは「カツオ船」の人が多い。カツオと共に春は黒潮に乗って北上。そして秋には戻りがつおと共に南下する。ただ、あまり長く丘に上がっていられない彼らは、短期間で豪快に遊び、そして出港していく。
出港当日の朝、三崎港の岸壁にはたくさんの女性が並ぶ。前日の深夜、営業を終えたクラブ勤務の女性たちが、眠い目をこすりながら見送りに来る。スナックのママも例外ではない。「また来たら絶対に寄ってね〜!」の固い約束を交わし、彼らは出港していく。

泣くな 船員さんよ しばしの別れだ
沖でカツオが 待っている
ちぎれるテープは 切ないけれど
それは次回の 「契り」の証
今日は晴れの 船出の日
無事を心で祈りつつ 笑顔で送る三崎港
(拙・作)

とはいえ、いろいろな設備もない三崎には年々、入港してくる船も少ない。そんなところから最近「昼オケ」営業もするスナックが増え、地元客を寄せようとする動きが見える。

昼間、前を通っただけなら、ここがスナックだとは誰も気づかないだろう店構えの「スナックしおん」。ここはママの人柄もあってか地元民の常連が多い。ママは昼間、近くで別の仕事を持っているが「昼オケ」もやっている。そのため仕事が忙しい時はドアのカギは開いたまま。常連ともなれば勝手に店に入ってカラオケを楽しんでいる。このお気楽さが三崎らしい。
本当に三崎の街を楽しもうと思うなら、こういった店で「三崎人」と語らいながら飲むのもオススメだ。三崎人は声がでかくて言葉が荒い。知らない人は絶対に気後れしてしまうと思うが、これは沖で船同士で話をするのに大きな声が必要なのと、荒い言葉の方が短時間で伝わるというのが理由らしく、決して怖い人種ではないのでご安心を。

先ほどの話ではないが、三崎人の性格はラテン系だと思うことがある。お祭り好きでお人好し。おまけにお気楽で「なるようにしか、なんねぇべ」と、あまり物事を深く考えない。それと友達になれば、次回その店に行っても「待ってたよ〜」と歓待される可能性が高い。

若い人が「スナック初体験」をする理由の多くは「先輩に連れられて」というのが多いそうだ。三崎の場合、祭りの練習などのあとに、みんなで飲みに行くケースが多い。そして居心地の良さから、そのまま若者が常連になってしまうケースが、けっこう見受けられる。ひょっとしたら三崎は、若者のスナック利用率が非常に高い街なのかもしれない。

「スナックCABIN」は、ママの親の代から数えて創業51年目になる老舗。しかし不幸なことに火災に遭い今年、新店舗に引っ越したばかりである。そんなCABINに最近、大画面のテレビが設置された。「サッカー大会やオリンピックなんか、ウチにみんなで集まって、楽しく見ればいいじゃん」とママ。新しい感覚をどんどんと取り入れて、老舗ながらも変革を続けている。
CABINでは、第二回・ちょい呑みに合わせてオリジナルカクテルを考案した。ベースはホワイトラムで、フレーバーは三浦名産のスイカとメロンというのがいい。どちらかといえば甘口だが「男性用にドライ(辛口)も、女性用にノンアルコールも作れます」という気の配りよう。ここには何か、新しい時代のスナックの形が見えるような気がする。深夜、一人でこの店に酒も飲まずにピザだけを食べにくる女性がいるという話を聞いた。きっとそれは、スナックというものが安心な場所であるという証明なのかもしれない。

四軒について語っただけでも、これだけの差があることがお分かりいただけたと思う。その差も、きっとこの地でしか味わえないものが多分にあると思われる。そんな意味からオレは、スナックのハシゴはワンダーランドだと題名をつけた。とにかく三崎に来るときは泊りで、美味しいものを味わったあとにスナックのハシゴをしていただきたい。そこまでしないとこの街は、なかなか味わいきれないと思う。三崎の夜は奥が深い。きっとオレでさえも知らない世界があるはずだ。

TEXT : 花岡静夫(㈲花岡新聞店)


ちょい呑みフェス参加オススメ三崎スナック
さて、スナック未経験者にとってはなかなか初スナックに踏み切るには度胸が必要です。そんな方たちは、11/15-16に開催される三崎ちょい呑みフェスティバルでスナックデビューをしてはいかがでしょうか!
ちょい呑みフェスティバルとは、チケットを購入するとフェス参加店が用意した”1杯+1品”の「ちょい呑みセット」を楽しめるというもの。チケットは3枚綴りになっており、3軒ハシゴが出来るんですね〜。これなら料金はチケット制ですし、初めての方もウェルカムなイベントなのでスナックにも入りやすいはずです。
ちょい呑みチケットを使うなら1枚目はお寿司のお店、2枚目は居酒屋、3枚目はスナックっていうコースも良いと思いますよ。またスナックは昼からやっているお店もありますから、まずは昼カラからスタートなんて楽しみ方もあります。
そしてスナックに慣れてきたら、ママとお話したりして三崎の雰囲気を存分に味わってください。それが三崎ディープ酒場の始まりです!

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スナックCABIN

住所 三崎3-2-20 ℡046-882-3953

創業51年目にして今年新装開店したCABINさん。「来た人は誰でも今日から常連さん♪」の気さくな店っです。
そしてこのちょい呑みフェスでCABINから三崎のオリジナルカクテルがデビューします。その名も「MIURA」!!
ホワイトラムをベースにしており、三浦の特産品を取り入れたスイカ・フレーバーの「MIURA W」とメロン・フレーバーの「MIURA M」の2種類があります。開発者のあゆ美ママは「女性向けのスウィートなカクテルですが、男性にもきっとご満足いただけると思います」と紹介しています。基本は飲みやすい甘めのカクテルのようですが、好みでドライ(辛口)やノンアルコールタイプも提供するそうです。
【ちょい呑みフェス情報】
ちょい呑みメニューは、「揚げおかき」(揚げ立て。酒が進みますw)と「スティック野菜&ディップ」ほか

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スナックしおん

住所 三崎2-12-5 ℡046-882-3966

看板がなければ、昼間前を通ってもココがスナックとは気づかない「隠れ家的」な店。
しかし店内は昭和レトロの雰囲気たっぷり。
まさに正統派スナックです。

【ちょい呑みフェス情報】
全てが昭和で港町なスナック。ちょい呑みメニューはアルコール各種 + カラオケ2曲、ひじき煮、からあげ。お昼からやっているの昼カラができますよー!

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スナックV8

住所 三崎2-10-3 ℡046-882-1396

港町のスナックの雰囲気満点!かつてはマグロ船の漁師たちで賑わった店です。渋く一杯! もちろんカラオケもありますよ。

【ちょい呑みフェス情報】
V8も昼12時からオープン。ちょい呑みメニューはビール、コーヒー、ジュース + サラダ、きんぴら、焼き魚など。家族でも来れます!

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スナック 譜

住所 三崎2-8-5 ℡046-881-3937

その昔、「スナック 歩」という船員たちで連日ごった返す人気の店が三崎にありました。月日は流れ、ママさんもご高齢になり引退することになりました。そんな時、長年店に勤めた女性に「あなた、跡を継いでくれない?」と声をかけました。
そんなところから誕生したのがこのお店です。「場所も変わったし、心機一転のつもりで名前も『譜』にかえました」
そんな三崎のスナックの中でも老舗中の老舗。もちろん港町の酒場の雰囲気たっぷりです。
【ちょい呑みフェス情報】
ちょい呑みメニューは「アルコール(焼酎)一杯と小鉢。あとカラオケ2曲サービスします」とのこと。なお、昼オケもやってますので是非、御利用下さい!


第2回三崎ちょい呑みフェスティバル チケット販売店
㈲花岡新聞店 〒238-0242 三浦市東岡町1-27
https://www.facebook.com/misaki.hanaoka
みうら映画舎 ℡046-807-0855
その他、参加店等で販売中!

【三崎ちょい呑みフェスティバル FBページ】
https://www.facebook.com/misakichoinomi